悩み解決|経営 2018.07.20

訪日外国人の集客方法|飲食店で必要なインバウンド対策とは?

訪日外国人の集客方法|飲食店で必要なインバウンド対策とは?
1
インバウンド急増の背景とは
2
なぜ、インバウンド対策が必要なの?
3
飲食店におけるインバウンド対策

目次

近年の訪日外国人の増加にともない、飲食店でも集客のためにインバウンド対策をすることが重要となっている。とはいえ、具体的にどのような対策をしたらよいのかわからないという人もいるだろう。この記事は、まずインバウンドが急増した背景や、なぜインバウンド対策が必要なのかをご説明するものである。どのような対策が有効かも合わせてご紹介するので、ぜひ、お店に合った方法を取り入れてみてほしい。

インバウンド急増の背景とは

日本政府は、2020年に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックまでに、訪日外国人を4,000万人まで増やすことを目標としている。訪日外国人は、日本に入ってくるという意味で「インバウンド」と呼ばれている。

中国人による爆買いが2015年頃にニュースになってからは、このインバウンドに注目する企業が増えるようになった。日本政府観光局のJNTOによると、2012年に約836万人だった訪日外国人数が2017年には約2,869万人にまで増えており、インバウンドが急増していることがわかる。特に多いのはアジアで、2017年の訪日外国人数の割合のうち、中国26%、韓国25%、台湾16%、香港8%、タイ3%となっている。全体の約78%がアジアからの訪日外国人なのだ。

アジアからのインバウンドが急増した原因は、2020年に日本でオリンピック・パラリンピックの開催が決まったことや、2012年頃から円安が続いたことが挙げられる。また、ビザを取得しなくてもパスポートさえあれば日本に入国できるなど、ビザ緩和措置の対象国が増えたことも理由のひとつとして考えられるだろう。

すでにアジアでは9カ国がビザ緩和措置対象国に指定されている。外務省によると、日本がビザ緩和措置対象国として指定している国は、2017年7月時点で合計68カ国である。中国はビザ緩和措置対象国に指定されていないが、2017年5月にビザの取得要件が以前よりも緩和されたことから、旅行先に日本を選ぶ人が増加しているのだ。

なぜ、インバウンド対策が必要なの?

訪日外国人がここ数年間で急増しているとはいえ、飲食店でインバウンド対策をしておくことはなぜ必要なのだろうか。

訪日外国人が政府目標の年間4,000万人にまで増えた場合、その年間消費額は約8兆円にも上るといわれている。訪日外国人を多く集客することができれば、お店の売上は増加し、事業を拡大することができるかもしれない。東京や大阪などの大都市だけでなく、地方の観光地に足を運ぶ訪日外国人は多い。そのため地方の飲食店も、インバウンド対策をしておけば売上を伸ばすことができるだろう。

年々人口が減少している日本では、今後訪日外国人をどれほど取り込めるかどうかで収益が大きく変わっていくことが予想される。これらの理由から、インバウンド対策をしっかりとしておくことがとても重要だといえる。

 飲食店におけるインバウンド対策

2017年2月に観光庁が公表した、訪日外国人が旅行中に困ったことは何かというアンケートを見てみよう。その結果で多かった回答は、「施設などのスタッフとコミュニケーションがとれない」が32.9%、「無料公衆無線LAN環境」が28.7%、「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」が23.6%という結果となった。訪日外国人のうち多くの人が、コミュニケーションやインターネット接続などの面で、日本の施設の対応に不満を感じているということがわかる。こうした点を踏まえて、以下のような対策をとることが有効だ。

多言語化対応

多くの訪日外国人に満足してもらえるような店作りをするためには、メニューや店内の表示、ホームページなどを多言語に対応することが大切である。最近はアジアからの訪日外国人が多いため、英語だけでなく中国語や韓国語、タイ語などでも表示することが望ましい。

メニュー多言語化対応のイメージ

◎メニューや看板

メニューがすべて日本語であれば、外国人はどれをオーダーしたらよいかわからず困ってしまうだろう。料理名だけだとイメージがしにくい場合もあるため、各料理の写真や調理方法を記載しておくのもいい方法だ。和食や日本酒など外国人が好むメニューはまとめてある方が選びやすいので、日本人向けメニューと外国人向けメニューは別で用意することも検討するといいだろう。また、宗教によっては、アルコールや豚肉などが禁止されていることもある。使用材料や調味料についても詳しく表記をしておくと親切だ。

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集客に効果的な看板も、日本語だけでは外国人が見ても読めない場合が多いだろう。お店に入る前に何のお店なのかがわかると、入りやすくなる。看板も日本語だけでなく、外国語の表示をするようにしておこう。

◎トイレの使用方法

訪日外国人の中には、日本のトイレの使用方法がわからない人も多くいる。そのため、トイレにも多言語で使用方法についての張り紙をしておくといいだろう。明記しておけば外国人にも使い方がわかり、また、トイレを不必要に汚されてしまうこともなくなるだろう。

◎ホームページやグルメサイト

訪日外国人の多くは、飲食店を利用するときにSNSやホームページ、ブログなどを参考にしている。インターネットの情報を通して、来日前に飲食店をすでに決めてしまっていることも多いようだ。そのため、SNSやホームページ、グルメサイトも多言語に対応しておくことで集客力を上げることができる。

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たとえば、Facebook(フェイスブック)は2017年6月時点で、世界利用者数が20億人を突破している。そこに多言語化した記事を投稿すれば、たくさんの人にお店についての情報を発信することができるだろう。

さまざまな飲食店の情報を集めた、多言語化対応のグルメサイトを利用することもできる。たとえば、「ぐるなび外国版」は英語・繁体字・簡体字・韓国語・インドネシア語・マレーシア語・タイ語の7言語に対応したグルメサイトだ。サイトからネット予約をすることもできる。

「SAVOR JAPAN」も多言語化対応のグルメサイトで、英語・中国語・台湾語・韓国語の4カ国語に対応している。海外の利用者が年々増加しているサイトなので、日本に訪れる多くの人にお店について知ってもらうことが可能だ。

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こうしたグルメサイトでは、口コミ評価が掲載されていることが多い。訪日外国人に満足してもらえるような店作りができているなら、評価を高くつけてもらえる機会が増え、集客効果もアップするといえるのだ。

接客対応

来店した外国人の満足度を上げるためには、接客対応についても考える必要がある。どのようなことができるか、具体的な方法をひとつずつ見ていこう。

外国語接客対応のイメージ

◎翻訳機デバイスを取り入れる

アジアからの訪日外国人が増加しているため、たとえ英語が話せる従業員がいたとしても、それ以外の言語が必要になるケースは多くある。そんなときのために、翻訳機デバイスをお店に導入しておけば安心だ。話すことのできない言語で不意に質問されたときにも、従業員があわてずに対応することができる。

翻訳機デバイスを導入するには、初期投資が必要になる。しかし1台で、英語だけでなく、中国語や韓国語など複数の言語に対応しているものも存在するため、その後は大いに役立つだろう。

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◎英会話教室など従業員の言語教育を徹底する

従業員が外国語で簡単な案内をできるように、研修を行い教育するのも大切だ。外国人からよくされる質問をまとめておき、すぐ各種言語で返答できるように、前もって準備しておくといいだろう。特定の従業員だけではなく、すべてのスタッフが訪日外国人への対応をできるようにしておけば、その分お店の評価も向上が見込める。アルバイト従業員に簡単な英語案内を教育するほか、社員や店舗責任者には英会話教室などを実施するのも有効な手段だ。

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◎外国人(留学生)アルバイトの採用を検討してみる

外国語を話せる外国人を雇うことは、飲食店にとって大きなメリットがある。お店のスタッフが同じ母国語を持つ外国人であれば訪日外国人が親近感を持ち、より安心して利用できるからだ。同じ母国語同士であれば言語の壁がなく、細かいニュアンスなどを汲み取って要望に応えることもできるだろう。さらに、国際交流をしたい日本人の集客にもつながっていくと考えられる。

ただし、外国人を雇用する際には、気をつけなければならないこともある。就労してはいけないと定められたビザを取得して日本に滞在しているケースだ。

定住ビザや就労ビザ、配偶者ビザを取得している外国人であれば、特に問題はない。しかし、観光ビザの訪日外国人は、どんな条件でも雇うことができないので注意してほしい。また、家族ビザや留学ビザを持っている外国人は、資格外活動の許可を取得している場合のみ、週に28時間以内の労働であれば働くことができる。外国人スタッフを雇うときは、ビザの種類や規定労働時間をよく確認しよう

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決済方法

現金はあまり持たず、ほとんどの支払いをカードですませる文化の国もある。また、普段は現金でも、旅行中はカードや電子マネーなどで支払いたいというニーズもあるだろう。お店での支払いを便利にするために、決済方法を増やすこともインバウンド対策としては有効だ。もし現金払いしか対応していないのなら、以下の点を参考にして、可能なものから取り入れてみてはいかがだろうか。

カード決済対応のイメージ

◎クレジットカード払いに対応する

VISAやMasterCard、JCBなどの主要なクレジットカードの決済には、最低限対応しておくと安心だろう。加えて、前述のとおり、訪日外国人のなかでも、特に中国からの旅行客の割合が多い。これに合わせて、中国で普及している銀聯

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◎事前決済ができるオンライン決済も取り入れる

中国では銀聯カードの他に、Alipay(アリペイ)やWeChatPay(ウィチャットペイ)などのオンライン決済も普及している。できれば、こうしたオンライン決済にも対応できるようにしておきたい。アリペイは自分の銀行口座からチャージするとすぐに反映されるため、手持ちが少なくても支払いをすることができる。アリペイを導入しておけば、中国人客の単価向上も見込めるだろう。

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◎決済方法を表示しておく

訪日外国人が決済方法の心配をしなくてすむよう、入口に決済方法を明記しておくと親切だ。クレジットカードやオンライン決済など、対応している方法のマークを表示しておけば、日本語が読めない外国人にも一目で理解してもらえる。

その他にできること

外国人集客のために、上記以外にもまだできることがある。最後に、そのいくつかを見てみよう。

◎宗教で食べられないものがあったときの対応を考えておく

宗教が理由で食べられないものがあると言われたときの対応を、店内で前もって統一しておく必要がある。たとえば、あるお客さまは別の食材で対応したのに、他のお客さまには一品少なくしたなど対応に差があるようでは、店の評判を落としてしまうかもしれないからだ。宗教ごとに禁止されている食材を従業員に周知し、代用食材もあらかじめ決めておくのがいいだろう。

◎予約時に聞いておくことを店内で統一する

訪日外国人からの予約を受ける際は、事前に食べられないものがあるかを聞いておくとスムーズだ。また、テーブル席と座敷がある飲食店の場合は、どちらがよいかも確認しておくと親切である。座敷とは何かがわからない外国人もいるため、靴を脱ぐ必要があることなどを説明してあげるといいだろう。また、キャンセルをする際は必ず店へ連絡をする必要があることも説明しておかなければならない。

ネット予約を取り入れているお店では、予約時の注意事項を多言語で表記しておくと、後のクレームや無断キャンセルを少なくすることにもつながる。

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◎店までの交通手段を細かく記載する

日本に初めて来た外国人は、道がわからずに迷ってしまう可能性がある。グルメサイトやホームページにお店までの交通手段や地図を載せる際は、できるだけわかりやすく記載しておこう。

◎Wi-Fi環境を整えておく

訪日した外国人の中には、日本でWi-Fi環境が整っていないことに不便を感じる人もいる。店内でWi-Fiが利用できるように環境を整えておくといいだろう。導入には費用がかかるものの、インターネットに接続したい外国人を集客することができる。来店した外国人が、リアルタイムでお店のことをSNSなどにアップし、口コミが広がる可能性もあるのだ。

店内Wi-Fi対応のイメージ

インバウンド対策は今後より重要に

今後、ますます増加する見込みの外国人を集客するために、インバウンド対策が重要だということをご説明してきた。すべてを取り入れるのが難しい場合でも、まずは需要の多いクレジットカード決済を導入するなど、できることから少しずつ始めてみるといいだろう。メニューや店内の表示、看板などを多言語化し、写真などを使ってわかりやすくしておくのも、すぐに始められる対策のひとつだ。

どこの国のお客さまが多いか、どのメニューが人気かなどの傾向を把握し、随時対策を検討するのも忘れてはならない。2020年のオリンピック・パラリンピックが開催されてからあわてることのないように、今からしっかりとインバウンド対策をしておこう。

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