EATAS
コラム|その他2019.03.22
EATAS

受動喫煙防止対策とは? 個人飲食店はいつから何に取り組めばいいかを解説

受動喫煙防止対策とは? 個人飲食店はいつから何に取り組めばいいかを解説
1
受動喫煙防止対策とは? ざっくり解説
2
飲食店はいつから、何に取り組めばいい?
3
受動喫煙防止対策関連サービス紹介

目次
2018年、東京都の条例、そして国の改正健康増進法と、立て続けに受動喫煙防止法が成立した。飲食店も受動喫煙防止対策をとらねばならず、違反した場合には都道府県知事などの指導が入り、改善が見られない場合は罰則が適用される。しかし、その基準は「原則屋内禁煙」など非常に厳しい。ここでは、飲食店が2020年4月の全面施行に向けて取り組むべき内容について紹介する。

受動喫煙防止対策とは?

喫煙が健康に与える影響だけでなく、他人のたばこの副流煙を吸う受動喫煙でも、深刻な健康被害を引き起こすことがわかっている。そのため世界中で受動喫煙を防止しようとする動きがあり、これは日本も例外ではない。まずは2018年に可決された改正健康増進法受動喫煙防止条例について紹介しよう。

どんな法律なのか?

受動喫煙防止への意識は世界的に高まっており、屋内での喫煙を禁止とする国や地域も多い。しかし、日本の受動喫煙防止対策は、世界保健機関(WHO)に最低ランクと判定されるほど遅れており、2020年の東京オリンピック開催に向けて、世界基準まで対策のレベルを引き上げることが求められてきた。このような背景から、2018年に国会で健康増進法の一部を改正する法律案が可決された。それに伴い、東京都を始めとする各自治体でも受動喫煙防止条例が次々と制定され始めている。
これらの改正健康増進法や各自治体の受動喫煙防止条例には飲食店を対象としているものがあり、大きく以下の内容が挙げられる。

  1. 分煙は不可、原則屋内禁煙
  2. 喫煙専用室での飲食は原則不可
  3. 喫煙専用室へは20歳未満の客・従業員の立ち入り禁止
  4. 違反時には罰則あり
喫煙を主目的とするバー、スナックなどを除いた飲食店は原則屋内禁煙となり、たばこを吸ってよいのは別途設置された喫煙専用室のみとなる。この喫煙専用室には煙の流出防止措置を講じなければならず、室内で飲食をすることはできない。経過措置として、IQOSなどの加熱式たばこ専用とすれば喫煙室であっても飲食可能となったが、20歳未満の立ち入りは客・従業員問わず禁止になる。簡単に言えば、法律や条例によって望まない受動喫煙と健康被害が大きい、20歳未満の者や患者に対する配慮が義務付けられたことになる。

飲食店原則屋内禁煙

飲食店への影響は?

改正健康増進法では、経過措置として経営規模の小さな既存飲食店への例外を認めている
対象となる小規模飲食店では、喫煙可能な場所であることを掲示することで、喫煙可能店としての営業が認められる。つまり、大規模飲食店では屋内飲食エリアを完全に禁煙としなければならないが、小規模飲食店は店舗の全体または一部を、飲食も可能な喫煙エリアとして設定できるということだ。しかし注意しなければならないのは、この場合でも喫煙区域は客・従業員ともに20歳未満は立ち入り禁止となる点である。たとえば店全体ではなく一部を分煙して喫煙可能エリアとする場合、フロアをエリア分けするだけでは認められず、それぞれを完全に区切った上で煙の流出防止措置をとり、20歳未満の立ち入りを禁じる必要がある。
そして、このような経過措置が認められる小規模飲食店は、「個人または資本金5,000万円以下である中小企業が経営する客席面積100㎡以下の既存飲食店」と定められている。

加えて、自治体は条例でこの基準をさらに制限することが可能だ。たとえば東京都の定める受動喫煙防止条例では、国が定めた経過措置が認められる小規模飲食店の基準に対して、追加で「アルバイト含む従業員(同居親族等を除く)を使用していない飲食店」と定めている。東京都の条例が、飲食店により厳しく設定されているポイントである。
これにより、東京都においてはより多くの飲食店が「飲食エリアでの喫煙不可」となる。この例のように自治体によって制限の内容が違うため、改正健康増進法だけでなく、飲食店が所在する自治体の受動喫煙防止条例をしっかりと確認する必要がある

いつから、何に取り組めばいい?

飲食店オーナーは、受動喫煙防止に関する法律や条例を守るために、対策を講じなければならない。ここでは飲食店オーナーが取り組むべき内容について具体的に紹介していこう。

まずやるべきこと

まずは、自店がどの施設区分にあたるのかを確認しよう。経過措置対象となるのか、ならないのかで必要な対策レベルが変わってくる。改正健康増進法の全面施行日である2020年4月1日までに基準を満たさなければならないことを考えると、できるだけ早めに取り組むべきだ。

対策方法の種類

実際にどのような対策をとればいいのかは、経過措置対象か否かで変わる。経過措置対象外の場合は、「全面禁煙」もしくは「喫煙専用室の設置」などの対策方法が考えられる。

飲食を提供する客席は必ず禁煙としなければならず、喫煙者に配慮する場合は煙流出防止措置をとった専用室を設置する必要がある。室内は20歳未満の客・従業員の立ち入りが禁止になるので、未成年のアルバイトに清掃させないようマニュアルを作成しよう。

一方で、経過措置対象であった場合は、「全面禁煙」、「喫煙区域と禁煙区域を分ける」、「全体を喫煙可能店とする」のいずれかの対策方法が考えられる。

分煙とする場合は、完全に客席を区切って煙流出防止措置をとり、そのエリアへ20歳未満を立ち入らせることはできない。全体を喫煙可能店とする場合は、店舗全体が20歳未満立ち入り禁止の対象となる。また、どの場合でも、喫煙区域には「喫煙が可能な場所であること」を明確に掲示しておく必要がある。

喫煙可能場所には掲示

受動喫煙防止対策関連サービス

設備投資も必要となる受動喫煙防止対策で、使用をおすすめしたい設備やサービスを紹介しよう。

①分煙脱臭ブース

パーティションでフロアの一部を区切り、喫煙専用室にしようと考える飲食店は多い。しかし、厚生労働省は煙流出防止装置の基準を「入り口における室外から室内への風速が0.2m/秒以上」に設定することを検討しており、通常の空気清浄機を設置するだけでは基準を満たせない可能性が高い。かといって建物の構造上、独立した小部屋を確保するのは難しい場合がある。
そこでおすすめしたいのが、分煙脱臭ブースだ。フロア内の脱臭機能に加え、排気システムがブースに備わっているので、設置するだけで喫煙専用室を作れる優れものだ。

②受動喫煙防止対策助成金

労働者災害補償保険の適用事業主かつ中小企業事業主(飲食店の場合資本金5,000万円または雇用労働者数50人以下)である場合、一定の要件を満たす喫煙室の設置や換気措置などに必要な経費の3分の2が助成される。助成額の上限は100万円だ。
助成には一定の条件があり、交付には事前申請が必要になる。また、受付は原則申請順で、申請額が予算額に到達した場合は申請受付が締め切られる。そのため、早めに各都道府県労働局窓口へ問い合わせることをおすすめする。
(参考:厚生労働省 受動喫煙防止対策助成金

③専門アドバイザーによる受動喫煙防止対策相談事業

2019年2月末日現在、東京都産業労働局では2020年の条例施行へ向けて、個人経営・中小企業を対象に専門アドバイザーによる相談事業を行っている。どのような受動喫煙防止対策をとるべきか、売上はどう変化するのかなどのアドバイスを受けられ、喫煙専用室を設置する場合の事業計画書の策定などにも生かせる。費用は無料で1企業あたり8回まで専門家の派遣を受けられるので、ぜひ活用してみてはいかがだろうか。
店内喫煙のイメージ

方針を固めてしっかりと対策を

平成の約30年間で、日本における喫煙率はほぼ半減した。かつては飲食店で喫煙できるのは当たり前だったが、現在では全面禁煙に踏み切る飲食チェーンも増えてきている
今回の改正健康増進法では、経過措置の対象でも客や従業員に年齢制限が課される場合があるなど、飲食店オーナーにとって受動喫煙防止対策はもはや他人事ではない。また、小規模飲食店であっても現在の対応はあくまで経過措置であり、いずれはしっかりとした対策することが求められると予想される。小規模飲食店のオーナーは、2020年4月からの施行までに店舗の方針を固めて、しっかりと対策をしていこう。

関連記事:

飲食店の分煙法改正の対策準備に「オゾン発生器」を提案!

飲食店舗の皆様は必見!【分煙】の準備は出来ていますか?



関連記事

EATAS MEMBERS LOGIN
新規会員登録
会員登録がお済みでない方はこちらから
SNSアカウントでも登録/ログインできます。