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NEWS2021.06.03
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国内景気、緊急事態宣言などで4カ月ぶりに悪化―2021年5月調査

国内景気、緊急事態宣言などで4カ月ぶりに悪化―2021年5月調査

株式会社帝国データバンクは、全国2万3,724社を対象に2021年5月の国内景気動向を調査・集計し、景気DIとして発表いたしました。

<調査結果のポイント>

2021年5月の景気DIは前月比0.8ポイント減の37.5となり、4カ月ぶりに悪化した。国内景気は、感染拡大防止対策で人流抑制が図られたことで、4カ月ぶりの悪化となった。今後は、下振れリスクも多く一時的に悪化するものの、徐々に上向いていくとみられる。
10業界中、『建設』『製造』など8業界が悪化。多くの業種で、木材や鉄鋼など材料の不足、その価格高騰による影響がみられた。また、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の延長、対象地域の拡大もあり、「旅館・ホテル」「飲食店」といった個人消費関連の業種は低水準での推移が続いた。
『北海道』『中国』『九州』など4カ月ぶりに10地域すべてが悪化した。地域間で景況感の二極化が進み、地域間格差は5.0ポイントへと再び拡大。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の地域拡大などの影響が幅広く表れた。規模別では「大企業」「中小企業」「小規模企業」が4カ月ぶりにそろって悪化した。

2021年5月の動向 : 上向き傾向が一服
2021年5月の景気DIは前月比0.8ポイント減の37.5となり、4カ月ぶりに悪化した。

5月の国内景気は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の期間延長や対象地域の追加・拡大などによる人流抑制を通じて、経済活動に大きく制限がかけられたなかでの推移となった。休業や営業時間の短縮などが個人消費の下押し要因となり、関連する川上産業を含む幅広い業種に悪影響を及ぼした。さらに、燃料価格の上昇がコスト負担を高めたほか、半導体不足にともなう一部企業の工場の稼働停止などもマイナス要因となった。他方、米国や中国など海外経済の回復で輸出が大きく増加したことに加え、自宅内消費の拡大がプラス材料となるなど、企業の景況感は「K字型回復」の傾向が一段と強まった。

国内景気は、感染拡大防止対策で人流抑制が図られたことで、4カ月ぶりに悪化した。


今後の見通し : 一時的に悪化も徐々に上向く
今後の国内景気は、一部地域で6月20日まで延長された緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の継続・解除のタイミングなどが、経済活動に大きく影響するとみられる。特に、夏季賞与の減少や原材料価格の上昇などは下振れ要因となろう。また、半導体不足やコンテナ不足による生産の停滞などの供給リスクは悪材料となり得る。他方、ワクチン接種の拡大による経済活動の正常化や海外経済の回復、自宅内消費の増加、5Gの本格的普及などはプラス材料となろう。ただし、各社の業績に対する「K字型回復」の動向や東京五輪の行方などは注視する必要がある。

今後は、下振れリスクも多く一時的に悪化するものの、徐々に上向いていくとみられる。


業界別:8業界が悪化、多くの業種で材料の不足・価格高騰が悪材料に
10業界中8業界が悪化。多くの業種で、木材や鉄鋼など材料の不足、その価格高騰による影響がみられた。また、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の延長、対象地域の拡大もあり、「旅館・ホテル」「飲食店」といった個人消費関連の業種は低水準での推移が続いた。

『建設』(40.0):前月比1.4ポイント減。2カ月連続で悪化。米国での住宅着工件数の増加傾向や輸送コンテナの不足といった要因が重なり、海外からの輸入比率が大きい木材などの建材に不足が発生。特に、住宅着工に関連した業種において工事の遅れや仕入単価の上昇といったマイナスの影響がみられた。また、公共工事が弱含みつつあるなか、土木工事などの景況感も2カ月連続で悪化した。企業からは、民間・公共工事ともに案件が少なく、受注競争が激しくなっているとの声も多く寄せられた。

『製造』(39.0):同0.5ポイント減。4カ月ぶりの悪化。印刷需要の減退が続く「出版・印刷」(同3.0ポイント減)や、飲食店向けの食材需要が低迷している「飲食料品・飼料製造」(同1.6ポイント減)など、7業種が悪化した。さらに、木材や鋼材、半導体といった材料の不足により、『製造』の仕入単価DIは米中貿易摩擦の影響を受けていた2019年5月以来2年ぶりに60を超え、仕入単価上昇の勢いが増した。他方、完成車工場などで半導体不足による減産・稼働停止の影響が続くなか、米国・中国向けを中心とした輸出の回復傾向はプラス要因となった。自動車部品などの「輸送用機械・器具製造」(同0.1ポイント増)、半導体・工作機械関連の「機械製造」(同0.1ポイント増)、「精密機械、医療機械・器具製造」(同3.1ポイント増)など、5業種は改善した。

『小売』(33.1):同1.6ポイント減。2カ月連続で悪化。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の延長・対象地域の拡大にともない、消費者の外出自粛や店舗の休業・営業時間の短縮の影響を受けた。特に、調剤薬局で診療控えの影響がみられた「医薬品・日用雑貨品小売」(同6.5ポイント減)や、スマートフォンなどの情報通信機器を販売する「家電・情報機器小売」(同7.0ポイント減)の景況感が大幅に悪化。また、「専門商品小売」(同0.1ポイント減)も燃料価格の高騰を受け、ガソリンスタンドなどが悪化した。他方、新車販売台数が持ち直しつつある「自動車・同部品小売」(同0.3ポイント増)は改善した。

『運輸・倉庫』(33.7):同0.8ポイント減。4カ月ぶりに悪化。燃料価格高騰の影響を受けるなか、製造業や建設業の材料不足にともなう生産活動の減退で荷動きが停滞し、一般貨物自動車運送が悪化。また、輸送コンテナ不足の影響で海上運賃の高騰も続いており、港湾運送も悪化した。さらに、旅行業やバス・タクシーといった旅客運送では2020年以降景気DIが低水準で推移するなど、依然として厳しい状況が継続している。

リリースの詳細について
株式会社帝国データバンク
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000301.000043465.html

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