実は改正されていた!?外食業のガイドラインをチェック!
令和2年5月14日に「外食業の事業継続のためのガイドライン」を発表してから、飲食店では様々な対策をとって営業を行っていた。実は、同年11月にガイドラインは改正されていた。変更点も含めてチェックする必要がある。
栃木県では2月19日、飲食店への時短要請を2月22日より解除することを決めた。全国でも時短営業の解除や緊急事態宣言の期間終了が迫っている中、飲食店はどのような対策を取るべきであるのか。
株式会社シンクロ・フードの「外食業の事業継続のためのガイドライン」の遵守状況についてのアンケート調査ではこのような結果が出ている。
飲食店の経営者・運営者を対象に行ったアンケートで、時短営業要請に応じる意向があるかについての質問に「時短営業を行う」が73.7%と最多。「臨時休業する」が22.8%となり、96.5%の店舗が何らかの形で要請に応じる意向であることがわかった。
また、一般社団法人フードサービス協会と一般社団法人全国生活衛生同業組合中央会が出したアンケートもある。「外食業の事業継続のためのガイドライン」に沿った感染症対策を実施出来ていると思うかという問いに対し95.7%の店舗が基本的な対策は講じられていると感じていることがわかった。
実は、昨年11月に「外食業の事業継続のためのガイドライン」は改正されていた。
・現実的で長続きする対策を実現すべきということ
・事業者の責任で行うことと行政の責任で行うことは区別すべきということ
・特定の機器等を推奨する場合は、明確な効果とともに十分な供給と導入に伴う支援を併せて提示すべきということ
上記の考えを持ち、一般社団法人フードサービス協会は11月から改めて蔓延した新型コロナウイルスに対応すべく、改正したという。
新型コロナウイルスが蔓延し始めてから早くも1年が経ち、時短営業やガイドラインに沿った飲食店運営に慣れてきている今だからこそ、改正版「外食業の事業継続のためのガイドライン」を見直す必要がある。
今回は各シチュエーションについて部門別に気をつける点を挙げてみる。
「お客様の安全」
・入店時について
■掲示物
店舗入口には、咳や熱等の症状が認められる場合は店内飲食を断る旨と、マスクの着用をお願いする旨を掲示する。
そして、十分な間隔をとることが重要であることを認知してもらう。
■設置物
消毒液を用意する。
■順番待ちについて
混み合う場合は入店を制限する。
できるだけ1m以上の間隔を空けるように誘導する。
順番待ちが店外に及ぶ場合は、間隔を保つように誘導するか、整理券等を発行する。
・客席へのご案内について
■テーブル席の場合
テーブルの間は、パーティションで区切るか、できるだけ1m以上の間隔を空けて座れるように配置する。
そして座って頂く位置を斜めにする等工夫するか、パーティションを設ける。
■カウンター席の場合
カウンター席は適度なスペースを空けるか、隣席とのパーティションを設置する。
■全体的な配慮
少人数の家族、介助者が同行する高齢者・乳幼児・障がい者等が同席する場合では他グループとの相席は避け、その他の場合も1m以上の間隔を空ける。
・サービスについて
■テーブルの場合
お客様の側面に立ち、間隔を取る。
■カウンターの場合
可能な範囲で従業員とカウンター席との間隔を保つ。
注文を受けるときはお客様の正面に立たないように注意する。
従業員のマスク着用のほか、仕切りの設置をする。
■全体的な配慮
料理は大皿盛りではなく個々に提供するか、従業員等が取り分けるなど工夫する。
また、食器の共有、使い回しは避けるよう注意喚起する。
お客様が入れ替わる度に、テーブル・カウンターを消毒する。
・会計処理について
レジとお客様の間に仕切りを設置する。
電子マネー等の非接触型決済を導入する。
また、受け渡しがある場合はコイントレイを使用する。
定期的にコイントレイ、手指、券売機等を消毒する。
・テイクアウトサービスを行う場合
事前予約注文を受け付けるなどの仕組みを導入する。
テイクアウト客と店内飲食客の動線を区別する。
料理は早めに消費するよう、お客様に注意を促す(デリバリーサービスも同様)。
・デリバリーサービスを行う場合
配達員と来店客が接触しないように工夫する。
配達する料理の容器は袋等に入れる。配達に使用する運搬ボックスと手指を消毒する。
代金が支払い済みの場合、非接触の受渡しを出来る限り行う。
配達員は、店舗従業員と同様の衛生管理を実践し、マスクを着用する。
このようにお客様に対しての配慮は、コロナ対策について理解して頂くことや、他グループや必要以上のスタッフとの接触を防ぐこと、消毒の徹底に共通項が見られる。
従業員の安全衛生管理
・各従業員が気をつけること
各自が店舗に新型コロナウイルスを持ち込まないことを徹底的に周知する。
必ず出勤前に体温を計る。
発熱や風邪の症状がみられる場合は、店舗責任者に勤務の判断を仰ぐ。
店舗では大声を避け、マスクやフェイスガードを適切に着用し、頻繁かつ適切な手洗いを徹底する。
休息中もマスクを着用するなど工夫する。
・事業者が気をつけること
食品を扱う者の健康管理と衛生管理を徹底する。
感染した従業員、濃厚接触者と判断された従業員については就業は禁止する。その従業員家族が過度な心配や恐怖心を抱き、風評被害や誤解などを受けないよう、現状を従業員に伝える。
従業員のロッカールームや控室は換気し、室内は定期的に清掃する。
以上のように、各従業員が気をつけることと、その従業員を取りまとめる事業者が気をつけることの2種に分類出来る。お客様を守る行動だけではなく、従業員を守る行動も管理に含まれるのである。
店舗の衛生管理
・換気について
店内(客席)は適切な換気設備の設置及び換気設備の点検を行い、徹底した換気を行う。
換気設備が不十分な店舗や個室を使用する場合は、十分な換気を行う。
・消毒について
店内清掃を徹底し、多数の人が触れる箇所は定期的にアルコール消毒薬、次亜塩素酸ナトリウム、台所用洗剤(界面活性剤)で清拭する。
箇所:店舗のドアノブ、券売機、セルフドリンクコーナー等の設備、テーブル、イス、パーティション、メニューブック、タッチパネル、卓上ベル、卓上の調味料・冷水ポット等
・サービスの変更点
卓上には原則として調味料・冷水ポット等を置かないようにする。
ビュッフェやサラダバー及びドリンクバーは、利用者の飛沫がかからないように食品・ ドリンクを保護する。
トング等は頻繁に消毒もしくは交換するか、または手袋の着用を促す。従業員は、店内の一箇所にお客様が集まらないように留意する。
・トイレについて
毎日清掃し、不特定多数が触れる箇所は定期的にアルコール消毒薬、次亜塩素酸ナトリウムで清拭する。
ハンドドライヤーは使用を中止し、ペーパータオルを置く。
また、汚物は蓋をして流すよう、使用者に注意を促す。
・従来の取組みの強化
厨房の調理設備・器具を台所洗剤で清拭し、作業前後の手洗いなど、一般的な衛生管理を徹底する。
感染防止対策に必要な物資のリストを作成し、十分な量を準備しておくか、すぐに入手できるよう予め手配をしておく他、ローリングストックを心がける。
ユニフォームや衣服はこまめに洗濯する。
食品残渣、鼻水、唾液などが付いた可能性のあるごみ等の処理は手袋・マスクを着用してビニール袋等に密封して縛り、マスクや手袋を着用して回収する。
マスクや手袋を脱いだ後は、必ず手を洗う。
コロナウイルスに関係なく、普段から行うべき衛生管理がここでは挙げられている。ノロウイルスやインフルエンザ等他の感染対策にもなるため、店舗の衛生管理はコロナ収束後も続けていく必要がある。
11月改正前には、食事中のフェースガードや食べるとき以外のマスク着用、CO2センサーや高性能空気清浄機の設置、接触確認アプリの掲示等、様々な項目を付け加える要求があったという。しかし、冒頭で述べた協会の考えのものそのような具体的な取り入れるべき物については記述しなかったという。また、このガイドラインは「各事業者の方々が創意工夫を凝らしていただくための参考と資するもの」としており、より細かい対策法については各店舗で考えるべきであるとしている。
「外食業の事業継続のためのガイドライン」にはQ&Aも載っていることから、詳しい対策方法については以下を参考にするべきである。
http://www.jfnet.or.jp/contents/_files/safety/FSguideline_201130kai.pdf