TOP  >  コラム  >  デリバリー・弁当  >  飲食店経営で地獄を見る前に…廃業を回避する起死回生の弁当事業

2019-03-25

飲食店経営で地獄を見る前に…廃業を回避する起死回生の弁当事業

廃業を回避する起死回生の弁当事業

飲食店は競争が激しく、廃業の多い業種としても知られている。特に、資金繰りに四苦八苦する末期は地獄のような状態にもなってしまう。
そんな中、経営状態のおもわしくない店舗にとって起死回生の手段となる可能性をもっているのが、弁当の宅配事業だ。

この記事では、飲食店の廃業、閉店、撤退を回避し、起死回生できる弁当事業について詳しくご紹介しよう。

目次

参入障壁は低いが、廃業率は高い

飲食店業界の過酷さは、統計的にも確認できる。日本政策金融公庫が公開している調査では、全業種を通じた平均の廃業率が5年間で10.2%だったのに対し、飲食店(宿泊業を含む)の廃業率は18.9%と、2倍近い数字になっている。これは全業種の中で最悪の数字で、次に悪い情報通信業の15.8%と比べても、2割ほど高い数字だ。

(参照:2011年開業企業を追跡した「新規開業パネル調査」の概要
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/ronbun1702_02.pdf

飲食店の廃業率が高い背景には、参入障壁の低さも関係している。飲食店は開業資金こそ必要だが、開業にあたって難しい資格試験や規制がなく、ビジネスモデルもシンプルで、オーナーとバイト数名、といった人員構成でもお店を経営することができる。そのため料理の腕と意欲があれば、誰でも開業に踏み出すことが可能だ。
その分、準備を十分しないで開業したり、料理はできてもスタッフの管理や集客などが上手くいかなかったりすると、苦労してしまうことになる。

飲食店廃業の危機

飲食店経営は“地獄”を見やすい?

数ある事業の中でも、飲食店の経営は“地獄”を見やすいとも言われている。それは元から儲かりにくい構造に加えて、快調な時期があってもちょっとした理由で集客ができなくなるなど波が大きく、すぐに経営が傾いてしまうおそれがあるからだ。

飲食店が儲かりにくいのには、いくつかの理由がある。まず、参入障壁が低いこともあって周辺店舗との競争が激しく、すぐに価格競争に巻き込まれてしまうことだ。
しかも大量生産に向いていないためコストカットが難しく、無理に食材の原価を下げると、味に敏感な顧客に不評を買ってしまう。

労働時間についても、ランチから夜まで営業している店ならば、朝の仕込みから夜の店じまいまで、軽く12時間を超えてしまうケースが多い。オーナーがすべてを切り盛りするのは大変だし、人を雇えば人件費がかかる。
その人件費についても、継続して時給がかかるのはもちろん、スタッフが辞めてしまった場合、新たな雇用や教育にさらに時間とお金がかかる。

また店舗代や光熱費、開業時に借り入れた資金の返済など、固定費が毎月かかってくる。労働人口の低下もあり、スタッフは集まりにくく、かつ人件費も高い。
このような理由から、飲食店の経営は年々厳しくなっているのが現状だ。

フロービジネスはツラい

飲食店の経営が大変な理由の1つには、基本的な収益構造がフロービジネスになっているから、という点も挙げられる。
フロービジネスとは、顧客との関係・取引が単発であり、その顧客からの継続的な収益が見込めないビジネス形態のこと。日々違った顧客が目の前を通り過ぎていくという、その日暮らしのビジネスだ。

そして、その反対がストックビジネスだ。ストックは英語で「貯める」という意味で、顧客との関係・取引を蓄積していくことで、継続的な収益が見込めるビジネススタイルだ。

ストックビジネスの中でも、ポピュラーなものが大家業だ。賃貸物件のオーナーになれば、契約期間が続く限り毎月決まった日に決まった額が入金される。お金を貸す金融機関も同様だ。毎月決められた利子が入ってくる。
さらに電気、ガス、水道、電話なども、ストックビジネスの一種である。利用料金はその月によって変わるが、毎月安定して入金され、よほどのことがなければ他社に鞍替えされる心配もない。

ストックビジネスのイメージ

廃業、閉店、撤退を回避するには

飲食店がこのストックビジネスを取り入れれば、大きなモデル転換を果たせる。ここではそのヒントにもなる、廃業を回避するための考え方を紹介しよう。

使える手は何でも使う

メニューの見直しや宣伝の強化など、業績転換に向けてはさまざまな方法がある。しかし廃業の瀬戸際にまで至った場合、新しくコストがかかったり、成果が出るまで時間がかかったりする方法は、状況的に適正であるとは言えない。
発想を変え、今ある資産や今すぐできる方法を使って、起死回生を図るべきだ。

ちょうど時代的にも、シェアハウスや民泊、カーシェアリングなど、シェアリングエコノミーが浸透している。これらはいずれも、自分の持っている時間や空間を提供するという発想から生まれたものだ。
最近では、飲食店のスペースを、営業時間外に時間貸しする事例も増えてきた。また、夜間営業の居酒屋などがランチを提供するのも、昼間の仕込み時間に設備やスタッフの有効活用を狙うからだ。使えるものは何でも使う精神である。

ストックビジネスへの移行

飲食店のストックビジネスとして、時代をリードするのはサブスクリプションだ。日本語に直せば「定額制」のこと。顧客は毎月一律の料金を支払うことで、コーヒーやランチを毎日でも注文できるシステムである。お店側にとってはまとまった売上が立ち、顧客にとってはお気に入りのお店を割安に利用できるというメリットがある。
移り気な顧客(フロー)を、自分の店の固定客(ストック)にできるというのが最大の利点。

ただし、サブスクリプションは利用数が増えると当然利幅は薄くなるにも関わらず、メニューを提供する際の手間などは通常の注文と変わらない点に注意が必要となる。

宅配弁当事業で起死回生

サブスクリプションと並んで飲食業に馴染むストックビジネスになるのが、法人向けの宅配弁当事業だ。一般の取引でも、個人が相手の場合、ビジネスは先行きが不透明になりがちだ。
一方、法人相手の取引は、長く安定した関係が築きやすくなる。法人向けの宅配弁当は個人を相手にしたサブスクリプションより信頼性が高く、飲食店が起死回生を狙うのには絶好の手段となるだろう。

弁当事業の様々なお弁当

飲食店が宅配弁当事業をするメリット

この宅配弁当事業のメリットは何といっても、無駄なコストがかからないことだ。昼間の空いている店舗の厨房を使うため、設備投資は不要。使う食材は、前日までに注文を受けた分に限定することで無駄も出ない。
また、店舗でランチを頑張っても、受け入れられる客数や提供できる皿数には限界がある。一方、弁当であればより多くの人に届けられる。

加えて、一度法人と関係ができれば、そこから職場の宴会の予約が入ったり、何か行事があった際にまとまった数量の仕出しを依頼されたり、といったことも期待できる。

ノウハウと売上サポートのあるFC

ただし、宅配弁当事業にもデメリットがないわけではない。弁当作りのノウハウは、お店のランチとは異なる。店頭で渡すテイクアウトとも違い、日替わりの要望にも応える必要がある。
また、受注のためには法人相手に営業もしなくてはならない。そこで役に立つのが、法人向けの宅配弁当のFC(フランチャイズ)だ。ここでは3社を紹介しよう。

なないろ弁当

なないろ弁当
https://7bn.jp/FC/index.php

なないろ弁当は、平日のみの短時間稼働で、加盟金や保証金はなく、僅か5万円の元手があれば開業できるFCサービスだ。厨房があれば、飲食店だけでなく介護施設なども加盟できる。

やどかり弁当

やどかり弁当
http://www.yadoben.com/index.html

やどかり弁当は、居酒屋、カフェ、ホテルなど幅広い業態に支持されている。弁当の宅配のみならず、店舗設計や人材採用、営業先の開拓まで、お店の収益アップをサポートしてくれるだろう。

早めの情報収集が肝心

飲食店の業績アップには多くの方法があるが、中でも今回紹介したストックビジネスを取り入れるという発想が今後は重要になってくるだろう。特に法人に狙いを定めた宅配弁当事業は、あらゆる面から見て優れた飲食ビジネスだと言える。

しかし、どれほど優れた方法でもギリギリの瀬戸際になってからでは手遅れになってしまう。慌てて取り入れるのではなく、むしろ飲食店を開業した時点で早々に取り入れることを検討するぐらいがちょうどよいのかもしれない。
今からでも、少しずつ情報収集をスタートさせてはどうだろうか。